2025年は1月6日の月曜日から営業を開始する企業が多かったようですね。
仕事が始まったり、新学期を迎えたりして、皆様お正月気分がそろそろ抜けてくるころでしょうか。
でも、実はまだお正月は終わっていないかもしれません。
小正月(こしょうがつ)という風習をご存じですか。
小正月とは
小正月(こしょうがつ)とは、主に1月15日に行われる正月行事全般をさします。
地域や時代によっては14日から16日までの3日間を小正月とすることもあります。
太陰暦(旧暦)で年の初めの満月、つまり1月15日を正月としていたことに由来していると言われています。
現代では松飾りをするのは1月7日までが一般的です。
しかし、古くは1月15日までが松の内(年神様が滞在する期間)とされていたそうです。
元日から1月7日までを大正月(おおしょうがつ)と呼び、15日が小正月。
小正月はいわばお正月のしめくくりですね。
この1月15日は、昭和23年から平成12年(2000年)までは「成人の日」でしたが、明治時代には「小正月」として祝日と定められていた時期もあったということです。
また、小正月は「女正月」と呼ばれることもあります。
これは、正月に忙しく働いた女性たちが一息つくための日でした。
お年始回りをしたり遊んだり、この日だけは家事を休んだということです。
昔の家事は今以上に大変だったはずですから、とてもうれしい日だったことでしょう。
小正月の行事
地域によって、さまざまな小正月の風習が伝えられています。
一般にイメージする正月行事に比べて、小正月のほうがよりローカル色が強いかもしれません。
養蚕が盛んな地域では、餅や団子を丸めて枝に刺した繭玉飾り(餅花の一種)を作ることがあります。
また、小豆粥やぜんざいなどを食べる地域も多いようです。
具だくさんの汁物やお団子など、行事食もさまざまですね。
福山のとんど祭り
小正月に全国各地で広く行われている行事として、松飾りやしめ縄、書き初めなどを焚きあげる火祭りがあります。
左義長(さぎちょう)、とんど、どんど焼き、さいと焼きなど、呼び名は地域によってさまざまですが、お正月にまつわるものを燃やして年神様を送り出す、という由来は共通しているようです。
福山市では「とんど」と呼びます。
水野勝成が福山城を開城したことを祝って1623年に始められたという福山のとんどは、400年の歴史を持つ勇壮で華やかな祭りです。
松飾りや書き初めを燃やすのは他の地域と同じですが、福山のとんどの特徴は、「竹のてっぺんに豪華な飾りを付け、人が担いで囃しながら町中を練り歩く」ということ。
動き回るとんどというのは、全国でもめずらしいようです。
福山ブランド「福山とんど祭り」
海外の小正月
小正月と似た行事は、中国や韓国にもあるそうです。
中国では旧暦1月15日を祝う元宵節という習俗があります。
元宵節は前漢時代に始まった記録があるそうですから、実に二千年以上も続いていることになります。
提灯を飾ったり、元宵(ユェンシャオ)という、さまざまな餡が入ったお団子を食べたりするということです。
韓国の小正月はテボルム(一番大きな満月の日)と呼ばれ、五穀ごはんや硬い殻のついた木の実など、特別な食事が用意されます。
また、とんどに似たタルチッテウギ(月の家を燃やす、の意)という行事では、稲わらや松を燃やして農作物の豊作を祈ります。
また、願いごとを書いた紙も一緒に燃やして、成就を祈ることもあるそうです。
地域ごとにさまざまな風習がありますが、新年を祝う気持ちは万国共通ですね。
皆様もどうぞハッピーな一年をお過ごしください。