師走(しわす)の楽しみ

12月はイベントの多い月ですね。

年内にあれもやっておこう、これも片付けようと動き回っていると、あっという間に時が経ってしまいます。

忙しいけれど楽しい師走、皆さんはどう過ごされていますか。

なぜ師が走る?

師走(師馳)はもともと、旧暦の12月を指す言葉です。

平安時代の文献には、「年末には仏事が忙しく師(僧侶)が走りまわることから師走」と書かれているそうです。

しかし、実は「しわす(しはす)」という言葉が先にあって、漢字の師走や師馳は後からあてられたことがわかっています。

つまり、師が走る説には根拠がありません。

「しわすの語源は諸説あるものの、真実は不明」というのが現代の定説となっています。

平安時代の人も語源を知らなかったということは、それほどに古い言葉なのですね。

旧暦の12月は、師走以外に極月や限月とも呼ばれていました。

これらは文字通り「一年の最後の月」ですから、わかりやすいのですが、今ではあまり見かけません。

実際の語源とは違っているとしても「普段は落ち着いているお坊さんが走るほど忙しい」というイメージが年末の慌ただしさにぴったりなために、師走という言葉は使われ続けているのではないでしょうか。

12月が旬の福山ブランド

12月も後半になると、お正月の準備も始まります。

お正月と言えばおせち料理。

伝統的なおせちには、それぞれに意味を持った縁起の良い食材が使われますが、福山市の特産品「くわい」もその一つです。

くわいは中国から伝わったとされる水生植物で、泥の中に伸びた茎の先に芋のような塊ができます。

この芋から大きな芽が出ていることから「芽が出る」「めでたい」縁起物になったと言われています。

福山市は日本一のくわい生産地で、国内の生産量の6割近くを占めています。

堂々たる福島ブランド農産品です。

くわいは中華料理にもよく使われますが、一般的にはお正月の食材のイメージが強いですね。

旬は11月から12月にかけてなので、季節的にも合います。

おせち以外でもくわいをおいしく食べようと、福山市ではさまざまな商品開発が行われてきました。

2022年にはレトルトの「くわいカレー」が発売され、好評を博しました。

そして2023年には、くわいケーキが発表されました。

くわいをペースト状にしてケーキに利用するということです。

これから市内のお菓子屋さんに並ぶそうですので、ぜひ食べてみたいものです。

12月に出荷のピークを迎える福山ブランド農産物がもう一つあります。

それは金時人参(きんときにんじん)。

鮮やかな濃い赤とやわらかな食感が魅力のおいしい人参です。

お正月のお煮しめも、金時人参が加わると一層華やかになりますね。

くわいに金時人参、12月においしい福山の野菜を、おせち料理以外でもぜひ召し上がってください。

ふくやま観光・魅力サイト「えっと福山」2023 「くわい」

https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/288107.html

寒いからこそ輝くもの

12月の風物詩といえば、イルミネーションを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

LED電球が普及してきたこともあり、商店街や一般の住宅など、あちこちで光の装飾が行われるようになりました。

中国地方最大級と言われるイルミネーションイベントが開催されているのは、福山市の「みろくの里」です。

150万球のLEDを使った装飾は圧巻で、巨大なクリスマスツリーなども設置されています。

また、みろくの里のある藤江地区の交流館では、連動する形で「イルミネーション in ふじえ 2023」が毎年行われています。

寒い時期は日が落ちるのが早く、ちょっとさびしく感じることもありますが、イルミネーションが輝く様子を見ていると、ワクワクしてきませんか。

冬は空気が澄んでいて、星もきれいに見えます。

静かな年末に、夜空を見上げてみるのもおすすめです。

イルミネーションのような華やかさはないですが、星々の小さな輝きもまた美しく、気持ちをおだやかにしてくれます。

寒いけど温かい!

12月は、人との交流が多い時期です。忘年会にクリスマスパーティー、楽しいイベントが目白押しで息つく暇もないという方もいらっしゃるかもしれません。

寒さは厳しくなるものの、旧交を温めたり、来年の約束をしたり、気分は盛り上がりますね。

楽しくしゃべって笑って、おいしく食べて飲んで、新しい年に向けてのパワーを蓄えていきましょう。

今年一年お世話になった皆様に、心より感謝申し上げます。

どうぞ良いお年をお迎えください。