暑い日が続きますが、皆様ご無事でしょうか。
日本中どこへ行っても「暑いですね」というのが共通のあいさつのようになってしまいました。
暑い日は年々増えており、今や北海道でも気温30度を超えることは珍しくないそうです。
気温40度以上の世界
気温が上がっているのは日本だけではありません。
ヨーロッパ、北アメリカ、アジアでの熱波、カナダやギリシャの山火事など、人命に関わる厳しい気候変動が世界中で起こっており、影響を受けている人は何百万、何千万人にも及ぶと言われています。
EUの気象情報機関である「コペルニクス気候変動サービス」によれば、2023年7月の世界の平均気温は観測史上最高。
高温に関する過去の記録が次々と破られているということです。
日本でもところによっては40度の気温が記録されていますが、世界の気象記録を見てみると、ギリシャでは200以上の地点で40度超え、イタリア南部のシチリア島では47度と、すさまじい数字が並んでいます。
道路で転んだだけで大やけどするレベルです。
山火事が自然発生したり砂漠化が進んだりして、人が暮らせなくなった地域もあります。
ご先祖様もびっくりの気温
各種データを分析した結果、現在の地球の表面温度は「12万年ぶりの暑さ」と推測されるそうです。
12万年前だと、人類はまだ旧石器時代。
有史以前ですね。
1850年~1900年と比べると、平均気温は1.5度上がりました。
一見小さな数字のように感じられますが、これは地球温暖化の加速を示す値だということです。
平均気温の上昇に伴い、極地の氷も溶けてしまいますし、熱波や洪水などの自然災害も数倍に増えるとされています。
身を守ることを第一に
逃げ場がない感じですが、温暖化対策を考えるのと同時に、なんとかしてこの災害級の猛暑から身を守らなくてはなりません。
幸いにも日本ではエアコンが普及しています。
気温が高い時間帯は、涼しい屋内で過ごすのが基本です。
どうしても外に出なくてはならないときは、少しでも体温を上げない工夫をしましょう。
水分を摂る、日傘や帽子を使う、黒っぽい衣類は避ける、体を冷やすグッズを使うなど、ちょっとした工夫が熱中症の危険度を下げてくれます。
携帯用の扇風機、気化熱を利用したクールタオル、ネッククーラーなど、暑さ対策のグッズもいろいろ出ていますね。
100均で買える手頃なものもありますから、試してみてはいかがでしょうか。
そしてなにより、少しでも危険を感じたら予定を変更してでも涼しいところへ移動する勇気が大切かもしれません。
夜間の熱中症を防ごう
昼間は猛暑でも夜になると涼しい風が……というのは昔の話。
7月、8月は夜間でも25度を超える日が多くあります。
熱中症は室内での発症も多いことはだいぶ知られてきましたが、それでも夜は大丈夫と思ってしまうのか、就寝中に亡くなる高齢者が後を絶ちません。
こんな暑さでは、夜間もエアコンを使うのが正解です。
しかし、特に高齢者は暑さを感じにくくなっているためか、エアコンを付けたまま休むことに抵抗感がある人も少なくないようです。
冷房は体に悪いという昔の通説をずっと信じている方もいるのかもしれません。
適切に水分を取ることも必要ですが、普段からあまり水を飲む習慣がない、あるいは夜中にトイレに行きたくなるのがいやで寝る前に水を飲まないという話もよく耳にします。
身近に高齢の方がいらっしゃったら、夜間の室温管理、エアコンの操作なども気をつけてあげたいですね。
まさかこんなところで?
水泳や水遊びは夏の楽しみですが、実はプールでの熱中症も増えています。
気温が高いから学校のプール教室は中止、と聞いたときには違和感を覚えました。
水に入れば涼しいはずなのになぜ?
調べてみたら、いくつか理由がありました。
人間は暑いと汗をかき、汗が気化することで熱が奪われて体温が下がります。気化熱ですね。
しかし、水の中では汗をかいても気化しないので熱は体内に残ります。
そして、プールで泳ぐのはかなり激しい運動ですから、さらに体温は上がります。
汗で脱水する上に体温は上がっていき、しかも水がまわりにたくさんあるのでのどの渇きにも気づきにくいというのです。
水温が5度上がると脱水量は2倍になるというデータもあるそうで、水温が30度を超えるような中での水泳やプール遊びはやはり危険だということになります。
働く人、高齢者、子どもなど、それぞれの生活環境に応じて対策を取りながら、なんとかこの猛暑をしのいで楽しい夏を過ごしたいものです。
広島県「熱中症予防」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/269/1187335768796.html
環境省「熱中症予防サイト(全国の暑さ指数)」