美術館と設備

厳しい暑さがようやく和らぎ、過ごしやすい季節がやってきました。
ほっと一息ついて、「芸術の秋」はいかがでしょう。たまには美術館に足を運んでみませんか。

日本には美術館がいっぱい

日本にはいくつ美術館があるのでしょうか。e-Stat(日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト)によれば、2018年度の全国の美術館数は453だそうです。その他、登録されていない小さな施設も含めると1000を超えるとも言われています。アートスペースやギャラリーなどもありますから、美術を楽しめる場所は意外と近くに見つかるのではないでしょうか。
ちなみに、都道府県別でもっとも美術館が多いのは東京都で、38館です。では、2番目は? 大阪、愛知などが思い浮かびますが、上記の政府統計によれば長野県で、36館ということです。人口を考えるとすごいですね。
そして、広島県には15館。人口比で考えるとちょっと少なめな気もしますが、当社の所在地、福山市にも立派な美術館があります。

ふくやま美術館 http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/

福山市、府中市、神石高原町の3市町による広域圏の美術館として、地域の作家の作品や、日本の近・現代美術の作品、イタリアを中心とする近・現代ヨーロッパ美術の作品など、幅広い美術品が収集されています。建物正面の赤いモニュメントは「愛のアーチ」という作品で、美術館のロゴマークにもなっています。

展示品だけではない、美術館の楽しみ方

最近、美術館では絵や彫刻などの展示品を観るだけでなく、ミュージアムショップも人気があるようです。昔は定番のポストカードなどが中心でしたが、大規模な展覧会となると、文房具や食器、衣料品やアクセサリーなど、ありとあらゆるアートグッズが揃っている感じです。おみやげにしやすい手頃なお菓子なども、美しいパッケージで売られていたりして、目移りがするほどです。豪華なカタログも、画集だと思えばそう高くないのかもしれません。
我が町のふくやま美術館のミュージアムショップもなかなかがんばっていて、地元の名産品「福山レザー」のグッズなどが地域とアートをつないでいます。

建物そのものが美術

大規模な企画展もよいですが、静かな美術館で常設展示をゆっくり眺めるのも捨てがたいものです。そして、混んでいない時の美術館では、建物そのものも楽しんでみてはいかがでしょうか。
世界文化遺産に登録されているル・コルビュジエ設計の国立西洋美術館はあまりにも有名ですね。また、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏が設計した美術館としては、香川県の地中美術館が第一に挙げられますが、広島県には尾道市立美術館があります。
特徴的な姿の美術館は全国各地にあります。建物もぜひ楽しんでみましょう。

設備施工と美術館

外気温の高い時期では、美術館の展示室に入ると、ちょっと肌寒いな、と感じる方もいるかもしれません。
空調設備は、人が過ごす場所では人の快適さに合わせるのが基本ですが、美術館や博物館では、収蔵品の保護を優先しなくてはならない場合があります。文化財の材質によって、適した温度や湿度はさまざまですが、絵画の場合はおおむね温度20~22℃、湿度50~55%とも言われています。人間にとっては、少しひんやり感じます。
室温を人間に合わせるかわりに、肩掛けなどを貸し出してくれる美術館も増えてきました。このサービスがあったら、うっかり薄着で行ってしまっても大丈夫ですね。

また、照明器具や消防設備なども、通常の建物とは異なる配慮がされていることが多いです。たいていは建物の規模が大きいため、近年は特に、省エネルギーにも工夫がこらされるようになっています。
そして美術館は、博物館や図書館などと並んで、規模に応じて消防設備の設置が義務づけられている施設です。定期的に消防設備点検も行われていますので、安心して鑑賞を楽しんでくださいね。