チョコレートの季節

1月後半から2月上旬は、チョコレートシーズンと言ってもよいほど、チョコレートの話題が多くなります。

スーパーやコンビニ、百貨店などにはチョコレートの特設コーナーもでき、なかなかの盛況ぶりです。

そう、2月14日のバレンタインデーに向けて、ギフト用のチョコレートを求める人が増えるのですね。

バレンタインデーに、なぜチョコを?

バレンタインデーは15世紀にフランスで始まったと言われています。

フランスではこの日を「恋人たちのお祭り」と呼び、男女問わず花やプレゼントを贈りあい、仲良く過ごす日なのだそうです。

贈り物はチョコレートだけでなく赤いバラなども人気で、また女性から男性へと決まっているわけでもありません。

日本のバレンタインデーは、この習慣にヒントを得たチョコレートメーカーが昭和33年(1958年)に始めたと言われています。

当時、日本ではバレンタインデーのことなど誰も知りませんでした。

そのため、最初の年は苦戦したそうですが、2月14日を「女性から男性にチョコレートを贈り愛を告白する日」として宣伝したのが話題となり、1960年代にはすっかり定着しました。

女性は控えめにという風潮が強かった時代ですから、「年に一度だけ女性から男性へ告白できる」というメッセージは女性たちを勇気づけたことでしょう。

そして、ロマンティックで魅力的なハート型のチョコレートは、そんなバレンタインデーを演出するのにぴったりだったと思われます。

日本でバレンタインデー=チョコレートというイメージができあがったのは、商業的な理由でした。

とはいえ、歴史的にもチョコレートは恋愛との結びつきが強い食べ物です。

18世紀のヨーロッパでは媚薬とされたこともあったほどですし、20世紀前半のアメリカでは上流階級の女性にアプローチする際にチョコレートを送る習慣があったといいます。

そんな背景があるチョコレートは、バレンタインデーと相性が良かったのですね。

令和のバレンタインデー事情

「いくつチョコもらった?」

「本命の子からもらえなかった……」

「好きな子にちゃんと渡せるかなぁ……」

ティーンエイジャーの頃、バレンタインデーに一喜一憂した思い出がある方も多いのではないでしょうか。

今でも、バレンタインデーはドキドキするイベントには違いないはずですが、最近では恋愛抜きの楽しいイベントとしての性格も強くなっているようです。

中高生の間では、バレンタインデーに友達同士でチョコレートやスイーツを持ち寄って交換するのが流行っていますね。

「友チョコ」という言葉をよく聞くようになりました。

クラス全員に配ったりするので数が必要ということで、小さなお菓子を大量生産するためのレシピ本まで出ています。

友チョコを作ったり配ったりするのは女子とは限らず、スイーツ男子だって今やめずらしくありません。

仲間でわいわいと楽しむのも、今時のバレンタインデーなのでしょう。

職場の「義理チョコ」もだいぶ様子が変わってきています。

かつては女子社員がみんなでお金を出し合ってチョコレートの小箱を配ったりしていたものですが、いろいろ気を遣うし、お互いに負担も大きいし、ということで、もう少しカジュアルなスタイルが主流になってきました。

個包装の小さなチョコレートをたくさん用意してみんなで分ける形式は「友チョコ」と同じですね。

これなら、男女を問わず気軽なコミュニケーション手段になります。

これらは別名「ばらまきチョコ」とも呼ばれています。

なんだか節分みたいですが、笑顔を増やしてくれるチョコレートは「福は内」効果を持っているのかもしれません。

本命チョコは誰に?

デパートやホテルのバレンタインフェアでは、世界の高級ブランドのチョコレートや、芸術品のように美しく繊細なチョコレートが並びます。

高級チョコレートの世界では、たくさんのショコラティエがしのぎを削り、毎年新作が生み出されています。

フランスのチョコレートの祭典、サロン・ドゥ・ショコラは例年秋に行われますが、日本版はバレンタインデーの前に開催されています。

お値段も張りますが、それだけの価値があるチョコレートが揃います。

こうした高級チョコレートは、やはり本命のお相手に贈られることが多いと思われますが、最近では自分のための「ご褒美チョコ」にする人も増えていると言われます。

チョコレートマニアにとっては夢のようなシーズンですから、バレンタインデーのフェアを逃さない手はありません。

チョコレートが大好きなら、女性でも男性でも、自分専用のとっておき「本命チョコ」を探してみてはいかがでしょうか。