読書の秋もいろいろ

例年より気温が高いとはいえ、ようやく秋の気配が感じられるようになってきました。

昔から、秋は読書に最適の季節と言われます。10月27日から11月9日は読書週間ですね。

最近、本を読まれましたか?

日本で一番本を読んでいる人たちとは?

日本では読書の習慣を持つ人は多くなく、残念ながら先進国では最低レベルの読書率です。

文化庁では、全国の16歳以上の男女を対象として5年ごとに読書に関する調査を行っています。

直近の調査(平成30年度)では1か月に1冊も本を読まないという人が47.3%いました。

この傾向は5年前、10年前の調査から変わっていません。

本を読む人と読まない人は半々くらいというところのようです。

この調査で、月に1、2冊読んでいる人は37.6%、多い方では7冊以上が3.2%ということでした。

本を読む人でも、月に3冊以上となるとぐっと減るのですね。

一方、子どもたちはまずまず本を読んでいるようです。

子どもの読書に関する調査は全国学校図書館協議会が毎年実施しています。

最新の調査では2022年5月1か月間の平均読書冊数は、小学生(4~6年生)は13.2冊、中学生は4.7冊、高校生は1.6冊ということでした。

年齢が上がるにつれて本を読まなくなる傾向にありますので、日本では小学校高学年の子どもたちがもっとも読書しているということになるようです。

文化庁 平成30年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/r1393038_02.pdf

(公社)全国学校図書館協議会 「学校読書調査」の結果

https://www.j-sla.or.jp/material/research/dokusyotyousa.html

マンガも読書のうち

読書量の少ない日本人ですが、マンガはよく読まれています。

マンガを読むことを読書に含めるかどうかは議論が分かれるところですが、読書の効果として考えられている「新しい知識や情報を得られる」「豊かな言葉や表現を学べる」などは、マンガにも期待できることです。

マンガが新しい世界を開いてくれることもありますし、人生に大きな影響を与えてくれることもあるでしょう。

周りが何と言おうとも、好きなマンガはどんどん読みましょう!

図書館に行ってみよう

本を読むなら、図書館を利用しない手はありません。

たいていの公共図書館では、読みたい本をリクエストすることができます。

自館にない本を他の図書館から取り寄せることができたり、近隣の自治体と協力して蔵書を融通し合ったりする動きも増えてきました。

人気の本は長く順番待ちしなくてはならない場合もありますが、ちょっと興味があるけど買うほどでは…という本でも、図書館なら気軽に試せます。

特に用事がなくても、空調がきいて静かな図書館は時間つぶしにも使えます。

そんなとき、本はあまり好きじゃないけど…という方にお勧めしたいのは大人向けの「図鑑」です。

動物、海の生き物、植物、宇宙など、適当に手にとってみてください。

思いがけず美しい写真や知らない世界に出会えますよ。

大判で重たい、そして高価な図鑑は、図書館で眺めるのに最適だと思います。

電子書籍と聴く読書

電子書籍の利用者は年々増えています。

電子書籍のメリットは、端末さえあればいつでもどこでも読めること、手に入りにくい書籍にもアクセスできることでしょうか。

印刷や流通のコストがかからないぶん、価格も手頃なことが多いようです。

町の本屋さんはどんどん減り続けており、紙の本を買うには取り寄せるしかないという地域も多くなっています。

読書好きな人にとっては残念な傾向ですが、電子書籍は光となるかもしれません。

紙の本と違って貸し借りができない、サービスを退会すると読めなくなるなどのデメリットもありますが、日常的に読書に親しむためには便利なものです。

また、年齢を重ねると老眼によって本を読むのが億劫になってくるという問題がありますが、ほとんどの電子書籍は拡大表示が可能です。

昔のお年寄りは拡大鏡を使って苦労して本を読んでいましたが、これからはタブレットですいすい読書、という高齢者が増えていくことでしょう。

また、オーディオブック(聴く読書)の利用者も増加傾向にあります。

古くから本を朗読したメディアやラジオ番組はありましたが、インターネットの普及により音声コンテンツにもアクセスしやすくなりました。

視覚障害者向けの音声訳の本も、全国でデータの共有が進んでいるということです。

健常者であっても本を読めない事情はあります。たとえば車の運転中や、身動きの取れない通勤電車内などでも耳から読書ができるのは魅力です。

せっかくの秋の夜長、自分に合った方法で本に親しんでみましょう。

たとえ読み始めた途端に寝落ちしてしまったとしても、いつもと違う夢が見られそうです。