春から初夏にかけて、街角や庭先を華やかに彩るバラ。
その美しさと豊かな香りは、古くから多くの人々を魅了してきました。
5月は各地でバラが見頃を迎え、公園や庭園では色とりどりの花を楽しむことができます。
人々とバラとの関わり
バラは「花の女王」とも呼ばれ、世界中で愛されてきた花です。
中国には、紀元前500年頃にすでにバラが栽培されていたという記録が残っています。
ヨーロッパでも、古代ギリシャやローマの時代にはすでに観賞用として親しまれ、香料や薬草としても利用されていました。
日本でも明治時代以降、西洋文化の広がりとともに庭園や公園で栽培されるようになり、現在では家庭園芸でも人気の高い花となっています。
贈り物として花束に選ばれる機会も多く、赤いバラは「愛情」、白いバラは「純潔」など、色によって異なる花言葉を持つことでも知られています。
美しい見た目だけでなく、人の気持ちを伝える存在として、バラは私たちの暮らしに寄り添ってきたのですね。
長い歴史を持つバラ
バラの歴史は非常に古く、原種のバラは数千万年前から存在していたともいわれています。
現在見られる華やかな園芸品種は、長い年月をかけて品種改良が重ねられてきたものです。
18~19世紀頃にはヨーロッパで育種が盛んになり、中国から渡った四季咲き性のバラと交配されることで、現代のバラへと発展していきました。
ナポレオンの妃だったジョセフィーヌはバラを愛したことで知られ、世界中から250種ものバラを収集したということです。
そのコレクションは、現代のさまざまなバラの基礎ともなりました。
今では世界中で数えきれないほどの品種が作られ、それぞれ花の形や色、香りに個性があります。
「夢かなう」バラ
バラの魅力のひとつが、その多彩な姿です。
大輪で華やかなもの、可憐な小花をたくさん咲かせるもの、フルーティーな香りを持つものなど、特徴はさまざま。
最近では病気に強く育てやすい品種も増え、初心者でもバラ栽培を楽しみやすくなっています。
また、淡いピンクやクリーム色、深紅、オレンジなど色彩も豊かで、庭づくりやフラワーアレンジメントでも人気があります。
めずらしいバラとしてたびたび話題になるのが「青いバラ」です。
色水を吸わせるなどの加工をして青い色を出すことは可能でしたが、バラはもともと、青色の色素を持っていません。
そのため青いバラは「不可能」の代名詞となっていたほどです。
しかし、長年にわたる研究と遺伝子操作によって、2004年に日本の企業が青色の色素を持つバラの開発に成功しました。
この「サントリー ブルーローズ・アプローズ」という新しいバラは、やわらかな青みを帯びた上品で美しい色合いを持ちます。
花言葉は「夢 かなう」。不可能を可能にした、まさに夢をかなえたバラなのです。
科学や育種技術の進歩によって、新たな魅力が生まれているのですね。
バラの楽しみ方いろいろ
バラは「見る」だけではなく、さまざまな形で暮らしの中に取り入れられています。
代表的なのは、バラの香りを使った香水やアロマ製品。
特にダマスクローズ系の香りは人気が高く、化粧品の香り付けやリラックスタイムにも親しまれています。
さらに、バラの花びらを使ったジャムやお菓子、バラの実(ローズヒップ)のお茶なども知られています。
優雅な香りと華やかな見た目は、特別な気分を味わわせてくれます。
近年では、各地のローズガーデンを巡る“バラ散策”も人気です。
満開のバラに囲まれて過ごす時間は、忙しい毎日の中で心を和ませてくれることでしょう。
福山ばら祭り
当社の地元、広島県福山市で開催されるバラにまつわるイベントといえば、「福山ばら祭」です。
“ばらのまち”として知られる福山市では、戦後の復興への願いを込めて市民がバラを植え始めたことが、現在の美しい街並みにつながっています。
毎年5月に開催されるばら祭では、市内が色鮮やかなバラで彩られます。
パレードやステージイベント、マルシェ、バラ栽培の講習会など、盛りだくさんの内容で、多くの来場者でにぎわいます。
バラの花束もロマンチックで素敵ですが、さわやかな屋外で色とりどりのバラを眺めながら歩く時間は、この季節だけのぜいたくな楽しみです。
ぜひ、お気に入りのバラ鑑賞スポットを探してみてください。

