この冬は全国的に気温が高めで雪が少なく、スキー場や雪を利用したイベントでは、かなり苦労されているようですね。童謡「ゆき」のように、
ゆきやこんこ あられやこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
……とはならないようです。
地球温暖化やオーストラリアでの大規模火災など、暖冬の原因も気がかりですし、冬は冬らしくあってほしいものです。
ところで、「ゆき」の歌を聞くと犬と猫の姿が頭に浮かぶのはわたしだけでしょうか。二番の歌詞「犬は喜び庭かけまわり 猫はこたつで丸くなる」というフレーズは、簡潔でユーモラスですね。
犬=雪、猫=こたつ?
でも、本当に犬は雪が好きで、猫はこたつが好きなのでしょうか? Youtubeなど見ていると、確かに「ゆき」の歌詞通りの動画もありますが、雪の中を悠々と歩いている猫もいれば、暖かい部屋で丸くなっている犬もいます。だんだんわからなくなってきました。
とはいえ、もともと猫はアフリカで発生し、犬はユーラシア大陸で発生したとされていますので、猫は暑さに強く、犬は寒さに強いということはありそうです。
日本のペット事情
一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、2019年10月現在、日本全国の犬の飼育頭数は約879万7千頭、猫の飼育頭数は約977万8千頭だそうです。
2019年5月の総務省の推計では日本の子どもの数は1533万人ですから、人間の子どもの数よりペットの数の方が多いということになります。家族として大切に飼われる犬や猫が増えてきたのは、家族のかたちの変化も影響しているかもしれません。
日本では最近まで犬は屋外で飼われることが多く、猫は家の内外を自由に行き来することが多かったものですが、最近ではどちらも室内飼育が主流となりつつあります。
犬、特に大型犬には散歩が欠かせませんが、小型犬や猫の場合は室内でも運動量は足りますので、健康や安全を考えて外に出さないご家庭も多いようです。
室内飼育と屋外飼育とでは、ペットの寿命はかなり違うということです。外を駆け回る喜びもありますが、それは人間同様「遊び」の時間です。
自由に外を出歩く猫は楽しそうにも見えますが、他の個体とケンカして傷ついたり、病気をうつされたりするリスクも大きいのです。外に出たときも飼い主と一緒に安全に過ごし、日常は屋内で安心して過ごすというのが、犬や猫にとっての健康的な暮らしと言えそうです。
参考
一般社団法人ペットフード協会
令和元年(2019年)全国犬猫飼育実態調査 結果
https://petfood.or.jp/topics/img/191223.pdf
総務省統計局 統計トピックスNo.120
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1200.html
ペットにとって快適な室内環境は?
種類にもよりますが、犬も猫も、だいたい20度くらいの室温、50%以下の湿度だと快適に過ごせるようです。被毛があり、汗をかけない分、冬よりも夏の方が熱中症予防などの対策が注目されますが、寒い時期でも油断は禁物です。
冬場に特に気をつけたいのは、温度と湿度の管理の他に、暖房器具の取り扱いです。
屋内にいろりや暖炉などの火があった時代には、猫がヒゲや毛を焦がしてしまう事故が結構あったと聞きます。現代の暖房器具では焦げるまではいきませんが、ヒーターにくっつきすぎて低温やけどを起こしてしまうという危険があります。暖房器具の周りを柵で囲うなどの対策をするとよいでしょう。ペット専用のヒーターも安心ですね。
また、電気製品のコードを噛んだり、じゃれついて遊んだりしないような注意も必要です。犬や猫に次いでペットとして人気があるウサギは特に、コード類やカーペットのへりなどをかじるのが大好きですから、室内に放している時は目が離せません。
エアコンの風向きなども、ペットは自分では変えられませんから、人間が十分気を配って調節してあげたいものです。
室内飼育のペットへの対応は、乳幼児がいるご家庭と近いものがあります。大切な家族の一員が安全に快適に過ごせるように、整えてあげましょう!
参考
リクルート ペットの医学
https://dictionary.petsallright.net/archives/5318
https://dictionary.petsallright.net/archives/5323