受験シーズンのインフルエンザ対策

1月から3月頃といえば受験のシーズン。今まさに最後のがんばりどころ、というお子様も多いことでしょう。

また、この時期はちょうどインフルエンザが猛威をふるう季節でもあります。受験生の皆さんやそのご家族にとっては、インフルエンザや新型ウイルスなどの感染症は重大な問題だと思います。
今年は新型ウイルスの話題ばかりが注目され、インフルエンザのニュースをあまり見かけません。なぜだろう、と思って調べてみたら、例年に比べて発生数が少なめでした。
国立感染症研究所のインフルエンザ流行レベルマップを見ますと、昨年の同時期などはトップレベルの警報で日本地図が真っ赤になるほどだったのですが、今年は注意報すら出ていない都道府県もあります。

国立感染症研究所 「インフルエンザ流行レベルマップ」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html

それでも怖い、インフルエンザ

大規模な流行がないのはホッとする話ですが、そんな今年でもインフルエンザの感染者は新型ウイルスよりずっと多いのです。
実は、日本では毎年1000人~3000人以上の方がインフルエンザで亡くなっています。死亡に至るのは高齢者が中心とはいえ、少なくない数字です。若い人では、インフルエンザが異常行動を引き起こす例も目立ち、意識朦朧とした状態で歩き回って窓から落ちてしまったなどという悲惨なケースもありました。新型ウイルスと違って有効な薬はありますが、インフルエンザが怖い病気であることは間違いありません。

また、世界に目を向ければアメリカでは今年もインフルエンザが大流行していて、死者数も大変な規模になっています。ちなみにアメリカの場合は、日本とは保険制度が異なり治療費が高額になることが多いため、なかなか病院に行かず(行けず)重症化しやすいとも言われています。

Newsweek日本版
「感染者2200万人・死者1万人以上 アメリカ、爆発的「インフル猛威」のなぜ」(瀧口範子)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/220012000_1.php

正しい情報で病気を防ごう

大事な試験を控えていれば特に、インフルエンザにかからずに済む方法を知りたいですよね。
インターネット上にはさまざまな医療情報があふれていますが、残念ながら素人の思いつきや悪質なデマも多く混じっています。きちんとした研究の裏付けがあり、たくさんの治療効果が認められている「正しい予防法」を選びたいものです。といっても、専門知識がないと医学論文など読んでも理解は難しいので、信頼のおける情報元を選ぶのが早道かもしれません。
例えば、公的機関や大学が発信している情報は安心なことが多いと思われます。これらの情報には複数の専門家が必ず関わっていますので、極端に間違った道には進みにくいと考えられるからです。

厚生労働省 インフルエンザQ&A(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html)には、次のような予防法が書かれています。

(1)予防接種を打つ
(2)手洗いをする
(3)湿度を保つ(50~60%)
(4)栄養を摂る
(5)人混みを避ける、不織布のマスクを着用する

きわめて普通な感じですが、医療関係者は口を揃えて「感染防止には手を洗え」と言います。ウイルスや菌がもっとも付着しやすい手指を清潔にするのは、体内に悪いものを取り込まないために有効な方法なのです。
今年、インフルエンザの発生が少なかったのは、新型ウイルス対策で手を洗ったりマスクをしたりする人が増えたから、という説もあるようです。

受験生の皆さん、予防接種はすでにされていることと思いますが、しっかり食べて、手を洗い、マスクを上手に使って、どうぞご無事で試験を乗り切ってください。