すっかり日が伸びてきて、春のあたたかさが感じられるようになってきました。
「こたつでみかん」の季節はもうおしまいです。
冬の温州みかんに代わって、これからは他の柑橘(かんきつ)類が続々と旬を迎えます。
広島県は柑橘類の生産が盛んですから、一年中さまざまな品種を楽しむことができるんですよ。
どなたのお名前?
きよみ(清見)、はるか、せとか、はるみ…
女性の名前のようですが、これらはすべて柑橘類の品種名です。
品種改良が進み、新しい柑橘類をいろいろ見かけるようになりましたね。
みかんやりんごの新品種には、親しみやすいかわいい名前が多いように思います。
苦労して大切に育てた新しい品種に名前をつけるときは、我が子の命名と同じような気持ちになるのかもしれません。
そして、新品種の果物は親品種のすぐれた形質を引き継ぐように作られているので、たいていが美味です。
見慣れない名前の柑橘類があったら、「名前買い」してみるのも楽しいですね。
広島県が日本一!
柑橘類の中で、広島が誇るのはなんと言ってもレモンでしょう!
国産レモンのうち、実に50%以上を広島県産が占めています。
もちろん日本一の生産量です。
瀬戸内の温暖な気候がレモンに適しているということで、瀬戸内海に浮かぶ島々が主な産地となっています。
いわゆる「瀬戸内レモン」には他県のものも含まれますが、広島産のものは「瀬戸内ひろしまレモン」として、今ではすっかり人気ブランドになりました。
広島レモンをメジャーにするために、県ではさまざまな取り組みが行われ、加工品やレシピの開発も盛んです。
さらに、保存技術の進歩によってレモンは一年を通して店頭に並ぶようになりました。
長期輸送のために薬剤が必要となる輸入レモンとは異なり、国産の広島レモンは皮まで安心して楽しむことができます。
料理にお菓子、それにレモンサワーなども、瀬戸内ひろしまレモンを使えばグレードアップできますよ。
広島県「徹底解剖!ひろしまラボ」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/lab/topics/20211228/01/
ひろしま観光ナビ「瀬戸内 広島レモン」
https://www.hiroshima-kankou.com/gourmet/ichioshi/lemon
地元生まれの「はっさく」
レモンほどの華やかさはないものの、広島の柑橘で忘れてはならないのが、はっさく(八朔)です。
旬は3月から4月、まさに今が食べ頃のフルーツです。
はっさくは広島生まれ。
おそらくは自然交雑したもので、江戸時代に尾道市因島のお寺のそばで発見されたのだそうです。
現在は和歌山県の生産量が圧倒的トップで、広島県は残念ながら差のある2位ですが、地元の名産品であることは間違いありません。
はっさくは皮が固くて手ではむけませんが、内側の薄皮からの実離れは良く、果汁がこぼれにくいので、お子さんにも食べやすいのではないでしょうか。
香りはさわやかで、やわらかな酸味と甘みのバランスがよく、少しほろ苦さも感じられるおいしい柑橘です。
さっくりした歯触りもいい感じです。
はっさくゼリー、はっさく大福など、加工品も大人気です。
ゼリーは以前にもご紹介したことがありますが、ラベルのイラストもユニークなので、興味のある方は検索してみてください。
生の果実も加工品もおいしく、ぜひ食べていただきたいはっさく。
果物としては比較的お手頃価格なのもうれしいところです。
ところで、「八朔」という名前もちょっと変わっています。
「八月一日」という意味で、明治時代に名付けられたそうです。
なぜ食べ頃ではない時期の名前が付いたのか不思議ですが、由来には諸説あるようです。
柑橘パワーで乗り切ろう
さわやかな香り、酸味や甘さ、ジューシーな食感と、魅力の多い柑橘類ですが、おいしさだけでなく栄養素にも注目したいところです。
レモンを筆頭に、柑橘類にはビタミンCやクエン酸が豊富なのはよく知られているところですが、そのほかにも身体に良いさまざまな成分が含まれていることが明らかになってきました。
肌の調子を整え、疲労回復を助け、香りによるリラックス効果も期待できます。
3月4月は季節の変わり目にあたり、そのうえ年度替わりで環境が変わることも多い時期だと思います。
フレッシュな柑橘類のパワーで、元気に乗り切りましょう。