どこに行ってもクリスマスソングが聞かれる時期ですね。
12月、町中ではサンタクロースやクリスマスカラーの装飾が目立つようになり、イルミネーションが輝きます。
寒さは厳しくなり、年末に向けて忙しさが増す中でも、
なんとなくウキウキした気分になるのはクリスマスがあるおかげかもしれません。
クリスマスとは?
クリスマスは、イエスキリストの降誕を祝うキリスト教の行事です。
キリスト教は世界でもっとも信者数が多い宗教ですから、クリスマスも世界各地で盛んに行われています。
一方、日本では神道や仏教の方がキリスト教よりもずっとポピュラーです。
文化庁の宗教統計調査(2020年版)によれば、
宗教信者のうちキリスト教徒が占める割合はわずか0.7%で、クリスチャンはかなりの少数派と言えます。
しかし、私たち日本人は神社の氏子であろうと仏教徒であろうと、クリスマスが大好きです。
お寺の本堂でクリスマスパーティー、なんて話も聞くくらいです。
世界的に見ると、異教徒によるクリスマスはかなり珍しい現象のようですが、
このあたりが八百万(やおよろず)の神と親しんできた日本らしさなのかもしれませんね。
日本のクリスマスの変遷
日本で最初のクリスマス(降誕祭)が開かれたのは1552年、室町時代のことだと言われています。
場所は、宣教師フランシスコ・ザビエルが布教活動をしていた山口(広島の隣県ですね)でした。
その後、江戸時代にはキリスト教が禁じられたため、クリスマスは長い間、表だって行われることはありませんでした。
クリスマスが再び広く取り上げられるようになったのは明治中期からです。
西洋文化を積極的に取り入れていた頃であり、楽しそうな行事としての側面が好まれたのでしょう。
それから大正を経て昭和初期まで、百貨店にはクリスマスツリーが飾られ、
サンタクロースが絵本に描かれ、美しいクリスマスカードなども人気があったようです。
第二次世界大戦の間はまた姿を消したものの、
戦後、1950年代のベビーブーム時代を迎えるといよいよクリスマスは盛んになります。
ケーキやチキンを食べる習慣もその頃に始まりました。
クリスマスに生クリームのデコレーションケーキを食べるのは日本だけです。
この習慣を広めたのは某製菓会社だといわれています。
ローストチキンの方は、アメリカのクリスマスの定番・七面鳥のローストからの派生のようです。
日本では七面鳥は手に入りにくく、また一羽が大きすぎることもあって、チキンの方が好まれたのでしょう。
最近ではフライドチキンも人気ですが、こちらも某ファーストフードの企業努力の結果のようです。
日本のクリスマスはかなり商業的とも言えますね。
とても自由なクリスマス
ほとんどの国ではクリスマスは長い歴史を持ち、
キリスト教以前の土着文化と混じり合った行事やしきたりがあったり、
特別な料理やお菓子が用意されたりします。
伝統的なクリスマスを祝う国から来た人は
「クリスマスにファーストフードを食べるなんて!」とカルチャーショックを受けることもあるようです。
日本のクリスマスはとても自由ですね。
家族で過ごすだけでなく、恋人たちの時間になったり、友達と集まってパーティーをしたり、
一人でコンビニのケーキを楽しむのも良し。
なんでもありです。
本来の主旨とは離れてしまっているかもしれませんが、思い思いに楽しめるクリスマスも良いものだと思います。
Happy Holidays!(ハッピーホリデーズ!)
「メリークリスマス(楽しいクリスマスを)」に代わる「ハッピーホリデーズ(良い休暇を)」というあいさつをご存じですか?
主にアメリカやカナダなどで、クリスマスシーズンから新年まで広く使われている言葉です。
さまざまな文化的背景を持つ人がいるアメリカでは、キリスト教以外の宗教の人も多いため、
誰にでも使える宗教観抜きのあいさつが好まれるようになってきました。
ちょうどこの時期、キリスト教以外の祭も行われます。
ユダヤ教ではハヌカ(奉献、光の祭り)という年中行事がありますし、
アフリカ系アメリカ人の間では12月26日からのクワンザ(アフリカの祖先や文化に想いを馳せる祭り)が広まっています。
ハッピーホリデーズは多様性を尊重するあいさつなのですね。
また、年末年始には休暇を取る人も多いですから、
どんな相手に対しても違和感がなく、なかなか便利な言い回しだと思います。
日本のフレキシブルなクリスマスにも合いそうです。
弊社からも皆様に、ハッピーホリデーズ!
どうぞ楽しい年末をお過ごしください。