徳川家康の従兄弟にして福山藩の初代藩主である水野勝成が福山城を建てたのは元和8年(1622年)のこと。
2022年は築城400年目にあたる記念の年でした。
福山城の天守など主な建造物は、1945年の福山大空襲で焼失し、戦後の1966年に再建されたものです。
2020年からは初の大改修が行われ、お城は美しい姿で400周年を迎えました。
福山城400年博
400周年にあたり、市を挙げてたくさんの記念イベントが行われました。
2022年1月から始まった「福山城400年博」は2023年1月9日の「時代行列・福山とんど祭り」でフィナーレとなりました。
お城と光のコラボレーションとも言えるアートイベント、「チームラボ 福山城 光の祭」も1月29日までとなっていました。
記念イベントの終了はちょっとさびしい気もしますが、大丈夫です。
400年博が終わったあとも福山城とその周辺ではおもしろそうなイベントが次々と企画されています。
ぜひ、福山城のイベントサイトをチェックしてみましょう!
福山城400年博 -FUKUYAMA CASTLE EXPO 2022-
福山城はここがすごい!
日本100名城に選出されている福山城。
空襲の難を逃れた伏見櫓、筋鉄御門は国の重要文化財に指定されています。
また、鐘櫓は福山市の指定重要文化財ですが、今でも1日に4度、時の鐘がつかれる現役の設備でもあります。
2022年には、全国のお城で唯一と言われる見事な「鉄板張り」も再現されました。
天守北側の外壁を敵から守るために施されていた鉄板張りですが、黒色がきりっと力強い印象で、周囲の白い壁との対比が非常に美しいと思います。
外は公園、中は博物館
福山城の周囲は公園となっていますので、城郭を眺めながら散策を楽しむことができます。
春には桜、秋には紅葉と、お城を彩る美しい公園は写真を撮っても映えますね。
そして、天守の内部は福山市立福山城博物館として利用されています。
今回のリニューアルでは、お城の中も大変身。
博物館は体験型施設として生まれ変わりました。
お城の中に入れるのもうれしいですが、5層構造+地階の6フロアは見所たっぷりです。
遊びながら歴史を学べるなんて、すてきですね。
子どもたちも喜びそうですし、もちろん大人にとっても博物館はさまざまな楽しみ方ができる場所です。
鏡櫓(文書館)では、福山城に関する古文書の展示も見ることができます。
福山城博物館
貴重な駅チカのお城
お城は日本中に数え切れないほどありますが、福山城の立地の良さは全国一と言ってもよいかもしれません。
なにしろJR福山駅から徒歩5分です。
新幹線の車窓から見えるお城は数あれど、ここまで駅チカのお城は珍しいと思います。
ほんとうに目の前にあるために、むしろ車窓からは見えづらく、停車時間にわざわざホームで写真撮影する方もいるほどです。
全国のお城好き、歴史好きの皆さん、新幹線を降りたらすぐですよ。
ぜひ、お気軽に福山城へお越しください。
福山城に泊まれる?
さて、ヨーロッパでは、古城を宿泊施設として転用するキャッスルステイが人気になっています。
お城に泊まるなんて、ちょっとワクワクしますね。
しかし、日本のお城で宿泊ができるのは愛媛県の大州城、長崎県の平戸城くらいで、かなり希少です。
リニューアルした福山城では、観光の目玉として、この「城泊」が計画されています。
2022年10月には実証実験も行われ、実験に参加したインバウンド観光の専門家からは高い評価を得られたということでした。
ただし、福山城には入浴施設がないため、対応を検討中だそうです。
福山城には「御湯殿」という建物があり、水野勝成はここで入浴していたと考えられますが、明治期にはすでに料亭として転用されていたそうです。
浴場が残っているわけではないのですね。
しかも、当時はサウナのような蒸し風呂が一般的で、現在のお風呂とはだいぶ様子が違っていたようです。
福山城での「城泊」、気になる宿泊費は1組100万円くらいになりそうだということです。
庶民はそうそう簡単には泊まれませんが、一日城主になれるなら、これでも高くはないのかもしれませんね。
築城400周年のイベントは終了しましたが、福山城はこれからも人々に長く愛され続けていくでしょう。
皆さんも、機会がありましたらぜひ足を運んでみてください。