4月の年度替わりで、新年度の健康診断や人間ドックの話題が出る企業も多いのではないでしょうか。
事業者は労働者に健康診断を受けさせなくてはならないと法律で決まっていますので、企業に所属している方であれば、年1回は健診の機会があると思います。
健診?それとも検診?
健診と検診、読みが同じ「けんしん」なので紛らわしいですが、意味は異なります。
健診は健康診断または健康診査の略で、健康状態を調べるためのもの。
法律で定められているのはこちらです。
一方、検診は特定の病気を発見するための検査です。
がん検診、歯科検診などがおなじみですね。
人間ドックなどでは、健康診断とセットで各種検診も受けることができます。
どちらも健康を保つ上で大切な「けんしん」です。
健康診断なんて意味がない?
実は、日本の健診受診率は先進国の中でも低い方なのだそうです。
企業や健康保険組合は受診率100%を目指しているものの、実際には90%にも満たないと言われています。
特に、20代~30代の若年層では「面倒だから」「忙しいから」「必要を感じないから」などの理由で受けない人も多いようです。
受けさせる義務はあっても受ける義務はないので、健診を受けるかどうかは本人次第です。
確かに、健診を受けないと病気になるというわけでもありませんし、「不調が出てから病院に行けばいい」というのも一理あります。
しかし、少しずつ進行していく病気などは自覚症状が出た時にはすでに重症ということもあり得ます。
そうなってしまったら、数時間の健診とは比べものにならないくらいの負担となります。
健康診断は、健康状態を知ることにより病気を未然に防いだり、軽症のうちに発見したりすることを目的としています。
毎年1回の健診を受けることで体の変化に気付きやすくなる、健康志向が高まるというメリットもあります。
「健康診断までに体重を落とそう」とがんばるのが年中行事という人もいますね。
もう一つ、健診の効果として期待されているのが将来の医療費の低減です。
重い病気になる人が減れば医療にかかる公的費用も減らせる、という考え方です。
どの程度の影響があるのか明確なデータは見つけられなかったのですが、高齢化が進み医療費が増大する中、できることには取り組んでいこうということでしょう。
健診を受けることは、自分の健康のためだけでなく、長い目で見れば社会貢献につながるとも言えそうです。
生活習慣にも注目
さて、40歳~74歳で医療保険に加入している人には、特定健診と特定保健指導も用意されています。
生活習慣病の予防を目的として行われる健診で、健診の結果、生活習慣の改善が必要とされた人は保健師や管理栄養士などのアドバイスやサポートを受けられるようになっています。
具体的な健診内容はメタボリックシンドロームのチェックです。
メタボリックシンドロームの基準は「腹囲が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値を外れている」こと。
3つのうち1つが基準値外の場合はメタボ予備群とされます。
おなか周りを測られ、お酒やタバコ、運動の習慣を聞かれたりして、居心地が悪いなぁと感じがちではありますが、いろいろ不調が出やすくなる中高年にとっては大事な健診です。
生活習慣病も気づかぬうちにじわじわと進行するものなので、定期的な健診は早期発見に役立ちます。
40歳以上の皆様、がんばって受診しましょう……。
自治体の検診・健診も活用しよう
自治体のサービスを利用する方法もあります。
職場などでの健診機会がない方には特におすすめです。
健康診断だけでなく、がん検診や歯科検診も用意されています。
年齢などの条件によって受けられる検査が限られる場合もありますが、比較的安価ですし、無料のものもあります。
お住まいの自治体のホームページや広報などをチェックしてみましょう。
年度ごとに人数の枠が決まっている場合もありますので、できるだけ早めに申し込むのが吉です。
福山市でももちろん実施されています。
福山市おとなの健診(検診)の受け方・実施医療機関等
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/kenkosuishin/179799.html
日本の健診制度はとても充実していますから、上手に活用して、元気に過ごしたいものですね。