まとまった休みが取れる夏には、帰省する方が多いですね。
コロナ禍による行動制限もなくなって、楽しい夏休みが戻ってきました。
普段は離れて暮らしている親族や、ふるさとの友達と会える貴重な機会。
時代の変化とともに夏休み事情も変わってきてはいますが、夏に帰省する習慣は続いています。
お盆があるから夏休み?
本来お盆は仏教行事ですが、宗教を離れても日本の文化の中に根付いており、夏休み=お盆休みという業界や企業は今でも多いですね。
旧暦の7月15日にお盆の行事を行う地域もありますが、全国的にみるとお盆は8月15日が中心という場合が多いので、夏休みもそこに合わせるようになったのでしょう。
8月13日の夕方に迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし、14日、15日には家でお経をあげ、16日に送り火を焚いてお帰りいただく、というのが一般的なお盆の流れです。
行事やしきたりは地域によってさまざまですが、家に飾り付けやお供えをしたり、お墓参りをしたりもします。
昔は兄弟姉妹も多かったので、お盆に田舎の祖父母の家に行き、大勢のいとこやはとこたちと一緒に遊んだ、という思い出をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
核家族化が進んだ今となっては、そうしたご家庭は少なくなってしまいました。
それでも、お盆があることで実家に帰る、祖父母の家に行くというきっかけにはなっています。
お盆に合わせての帰省の悩みは交通ラッシュです。高速道路も新幹線も飛行機も、どうしても混んでしまいますね。
チケット予約は早めに、交通情報や鉄道会社の混雑情報なども駆使して、快適な帰省を目指したいところです。
年代による帰省の意味
10代、20代の若い人にとっては、帰省はお金も時間もかかり、負担に感じられることも多いと思います。
実家に帰るよりも友達や恋人と遊んでいる方が楽しい、というのが本音でしょう。
みんな通る道のような気がします。
それでも帰ってこいと言われたら、地元の旧友に会うついでに親に顔を見せようかな、くらいの気持ちで、無理なく帰省できたらいいですね。
30代、40代になってくると、結婚して子どもができたりして、家族で帰省する人も増えてきます。
祖父母にとっては孫に会うのは大きな喜びのようで、子どもができたら帰省の催促が来るようになった、という話も聞きます。
夫婦ともに地元を離れている場合には、どちらの実家に帰るかという悩みも出てきますが、誰にとっても親は大事ですから、双方の希望を叶えられるように調整したいものです。
夫婦とも遠方に実家がある知人は、交通費の節約と義実家での気遣いを避けるために、夫と妻が交代で子連れ帰省をしていました。
子どもは2回旅行をすることになりますが、大人の交通費はそれぞれ帰省1回分で済み、自分の実家なので気楽、親には孫の顔も見せられます。
そして、家族一緒のお出かけは帰省とは別に計画していたそうです。
子どもが小さいとワンオペ帰省は難しいかもしれませんが、自分の実家にだけ帰るというのは、なかなか合理的な方法かもしれません。
50代以上の人にとっては、帰省は親の老いと向き合う時間でもあるようです。
実家が高齢者世帯になっている場合には、親の暮らしぶりや健康状態を確認し、時には掃除や庭の手入れなどに奮闘し、楽しいばかりではない帰省となることも多いと聞きます。
それでも、「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざがあるように、親が生きていればこそ帰省のしがいもあるというものです。
夏休みの後、「あと何回親に会えるだろうか」とつぶやいていた年上の友人がいました。
お墓参りも大切ですが、生きている人に関わりを持つことはもっと大切なように思います。
帰省の手土産
インターネットを眺めていると「帰省の手土産はこれで決まり!」とか「帰省の際のマナー」などという記事が目につきます。
実家であっても気を遣う、きちんとしたい、という真面目な方が多いのかもしれません。
しかし、自分の身内のことですから、ネットの情報よりも自分の感覚の方を信じたいものです。
相手の顔を思い浮かべ、好みを思いだし、なにを渡したら喜ぶだろうかと考えてみましょう。
そうやって選んだ手土産は、高価でなくても有名でなくても、きっと喜んでもらえることと思います。
考えた結果、毎度おなじみのお菓子になってしまったりすることもありますが、それはそれで奇をてらうよりもよいのではないでしょうか。
待っている側は子どもや孫の顔を見るだけでもうれしいのですから、訪ねる側もなるべく楽しい気持ちで帰省できたらいいですね。