3月は卒業の季節ですね!
ご卒業を迎えられた皆様、おめでとうございます。
2020年から22年までの3年間は、卒業式さえも中止されたり縮小されたりしました。
今年はようやく、コロナ禍以前に近い形で卒業式を実施できるのではないでしょうか。
卒業式の歌声
卒業式には合唱がつきものです。
学校の校歌を斉唱するだけでなく、卒業生から教職員や在校生たちに、または在校生から卒業生へと歌を送ることは多いと思います。
実は、卒業式の際にみんなで歌を歌うのは日本独自の習慣と言われています。
一体感を生み出し感動を高める合唱は、日本人の情緒にマッチし、近代日本の学校制度が始まった明治時代から現代まで続いています。
明治期から昭和前半にかけては「蛍の光」「仰げば尊し」が多く歌われていました。
これらは戦前からある歌ですから歌詞の内容は古く、ことばも難しくて、次第に時代に合わなくなってきたのでしょう。
そこで、1960年代頃からさまざまな合唱曲やポップスが取り入れられるようになりました。
幅広い年代に親しまれている卒業式ソングに「旅立ちの日に」という合唱曲があります。
この曲は1991年に埼玉県秩父市の中学校で当時の校長先生が作詞、音楽の先生が作曲されたものです。
教職員から生徒へのサプライズとして歌われたのが最初だそうですが、それから生徒たちが歌い継ぎ、次第に周辺の学校にも広がり、いまや全国的な人気曲となりました。
先生方の愛情が感じられる、やさしく温かい名曲です。
流行の変遷が大きいJ-POPのジャンルでも、卒業ソングは長く愛されている曲がたくさんありますね。
卒業式で歌った歌を聞くと、楽しい学校時代の記憶がよみがえってくるという方は多いと思います。
イマドキの卒業式の「小道具」
大学生の卒業式での女子の袴姿はすっかり定番となっていますが、高校生以下にも袴は人気なのだそうです。
地域や学校によっては、制服以外の着用が認められている場合もあるのですね。
また、最近では男子の和装も増えてきました。
和装は伝統のスタイルのようでありながら、着物と袴の柄や組み合わせ、アクセサリーにも流行があるそうです。
最近では、生花を使った花冠風の髪飾りが人気だそうですよ。
高校の卒業式では、式後の友達同士での写真撮影が賑やかになっていると聞きます。
よく登場する小道具はティアラや花冠、バルーンや花束です。
ティアラや花冠をつけ、花束とキラキラしたバルーンを持って写真を撮り、SNSにアップするところまでが卒業式というところでしょうか。
バルーンはハート型や星形などもあり、花束に入っていたり、それだけでブーケにすることもあります。
花束は後輩からだけでなく、彼氏から彼女に渡すこともあるそうです。
今時の高校生はなかなかしゃれたことをしますね。
今年の卒業生は学校生活の半分以上がコロナ禍にあたり、入学式も学校行事も制限を受けてきた世代です。
やっとマスク不要で歌ったりおしゃべりしたりできるようになった卒業式ですから、派手に華やかになるのも無理はないのかもしれません。
はしゃいでいてもちょっと多めに見てあげたい気もします。
また、沖縄県では卒業生にお菓子で作ったレイをかける習慣があります。
手作りするだけでなく、卒業式シーズンになるとスーパーマーケットに色とりどりのお菓子のレイが並ぶそうです。
お菓子に埋もれて卒業するなんて、これも楽しそうですね。
昭和から平成の初め頃までは、好きな男の子の制服の第二ボタンを女の子がもらうという風習がありました。
人気がある子は第二ボタンどころか制服のボタンが上から下まで全部なくなったりしていましたが、学ランの制服が減少したこともあって、今ではあまり行われていないようです。
新たなスタート
言うまでもなく、卒業式は新しいスタートの場でもあります。
学校生活で学んだことを振り返り、この先の人生へと想いをはせる大切な日です。
別れや涙がクローズアップされることが多い卒業式ですが、SNSが発達した今の世の中では、もう少し明るい印象になっています。
卒業しても仲の良い友達とはそのままつながっていられますし、苦手な相手との関係はリセットすることもできますね。
進学や就職などで新しい環境へと旅立っていく卒業生の皆様の前途が明るいものでありますようにお祈りします。
あらためて、ご卒業おめでとうございます。