子どもの好きなフルーツのナンバーワンといえば、いちごです。
子どもだけでなく、大人を対象とした調査でも、一番好きな果物にいちごを挙げた人は全体の75%とのことで、日本人はまちがいなくいちごが大好きです。
鮮やかな赤い色とかわいい形、さわやかな味と香りはとても魅力的。
また、いちご味のお菓子も人気ですし、スイーツにも欠かせないものとなっています。
いちごの本当の旬は?
いちごといえばクリスマスケーキを思い浮かべる方も多いと思います。
日本産のいちごは、クリスマスを迎える12月からお正月にかけてぐんと出荷が増えていきます。
冬が旬?と思ってしまいますが、これはハウス栽培が盛んに行われているためです。
出荷のピークは4月、次いで5月。
いちごの本来の旬は春なのです。
一年中手に入るとは言え、春のいちごは品種も豊富でおいしく、また価格も手頃になります。
そして、国内での収穫量が落ち込む夏の時期には、海外からたくさんのいちごが輸入されています。
真夏でもショートケーキの上にはいちごがほしいですよね。
つぎつぎ登場、新品種
今、日本で食べられているいちごは「オランダイチゴ」と言われる系統の品種です。
このタイプのいちごが日本に入ってきたのは江戸時代末期ですが、最初は観賞用として利用されていたそうです。
確かに花も実もかわいいので、気持ちはわかります。
日本で品種改良されたいちごの第一号は、1899年生まれの福羽(ふくば)です。
なんと、今の新宿御苑で作られたそうですよ。
これは皇室用の品種で、民間での栽培が許されるまでには20年かかりました。
品種改良が盛んになったのは1950年代以降で、戦後の食糧難が落ち着いてきたころから本格化したと考えられます。
宝交早生(ほうこうわせ)、とよのか、女峰(にょほう)などが初期の代表的な品種です。
近年よく生産されているのはとちおとめ、あまおう、ゆうべに、紅ほっぺなどですが、各地で次々と新品種が作り出されています。
ピンク色や白いもの、40グラムを超えるような大粒のものなど、めずらしいいちごも見かけるようになりましたね。
いちごの名前も楽しいです。さちのか、ゆめのかなど、親となった品種名を受け継いでいるもの、アイベリー(愛知)、さがほのか(佐賀)など産地名を含むもの、「いちごさん」「おいCベリー」などおもしろ系(?)も。
かわいい名前が揃っているのは、さすがフルーツ界のアイドルだけありますね。
農水省 aff「いちごの品種、増加中!」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1912/spe1_01.html
いちご人気はどこまでも
いちごはそのまま食べるのもおいしいですが、スイーツとしてもなじみ深く、駄菓子から高級スイーツまでオールラウンドの人気を誇っています。
一昔前のいちごは酸っぱいことも多かったので、コンデンスミルクを添えたり、いちごミルクにしたりする食べ方もよく行われていました。
今のいちごは甘いですが、ミルクやクリームとの相性が良いのは変わりません。
この頃よく話題になるアフタヌーンティー、ホテルのスイーツフェアなども、春にはいちごが主役。
見た目にも春らしく華やかです。
ストロベリーアイスクリーム、ストロベリーパフェ、和菓子ならいちご大福も外せませんね。
変わったところでは、冷凍いちごをかき氷のように削ったフローズンデザートなどもあります。
加工品の代表はジャムでしょう。
数あるジャムの中でも、鮮やかないちごジャムはもっともポピュラーなものです。
また、いちごはそのかわいらしさからデザインに取り入れられることも多く、意識して眺めてみると、私たちの身の回りにはいちごの柄が結構あります。
高級食器ウェッジウッドの「ワイルドストロベリー」や、ウィリアム・モリスのテキスタイル「いちご泥棒」などは、その名前は知らなくても、おそらくかなりの人が目にしているのではないでしょうか。
福山市のいちご事情
広島県のいちご生産量は全国的に見ればそれほど多くはありませんが、それでも福山市とその周辺にはいちごを生産している農家がいくつかあります。
4月から5月にかけては、いちご狩りができる農家さんもありますので、お出かけしてみるのもよいですね。
摘んだばかりの新鮮ないちごをその場で味わえば、とても贅沢で幸せな気分になれます。
4月20・21日にはさんすて福山でいちごのイベントが開催されます。
フレッシュないちごの食べ比べやスイーツなどが楽しめるということです。
さんすて福山「みんなのいちごFestival」