広島県にはおいしい特産物がたくさんありますが、この時期に注目されるのはやはり牡蠣でしょう。
豊かな香りと深いうまみ、なめらかな舌触り。
牡蠣はおいしい貝です。
牡蠣はRが付く月に食べるもの?
イギリスでは古くから「牡蠣はRの付く月に食べろ」と言われてきたそうです。
Rの付く月とは、9月(September)から4月(April)まで。
月名にRが付かない5月から8月には食べないように、とされたのは、牡蠣の産卵時期にあたるため身がやせておいしくないから、あるいは気温が上がる時期で食中毒が出やすかったからとも言われています。
しかし、今は養殖技術や衛生管理が進んだため一年中おいしい牡蠣が楽しめるようになりました。
また、岩牡蠣のように夏が旬の品種も存在します。
それでも、秋から冬にかけては牡蠣の出荷は最盛期となります。
牡蠣はいつでもおいしいですが、旬はやはり秋から冬かもしれません。
寒くなってくると、生牡蠣や牡蠣鍋で一杯やりたくなりませんか?
牡蠣のおいしさの秘密
貝類にはコリコリとした食感を持つものが多いですが、牡蠣はとても柔らかく、食べやすい貝です。
この柔らかさは、岩などに付着してほとんど動かずに過ごすという牡蠣の生態に由来するものだと考えられています。
動かないので筋肉が退化し、体の大部分はやわらかい内臓で構成されているのです。
殻があるとはいえ、ほぼ内臓だけで生きているなんてユニークな生物ですね。
「海のミルク」と呼ばれるように、牡蠣は栄養素が豊富です。
牡蠣のうまみは、元気の素となるグリコーゲン、深い味わいのコハク酸、甘みのあるグリシンというアミノ酸などによって生み出されます。
体に良い成分がおいしさの元になっているわけです。
古代人も愛した牡蠣
古代から人々は牡蠣を食べてきました。
全国各地の貝塚からは、牡蠣の殻が大量に発掘されています。
縄文時代にはすでに、貴重な食材となっていたようです。
海辺の岩場などに生息し、動かない牡蠣は採集しやすかったのでしょう。
また、おいしかったので好んで食べられたのではないでしょうか。
土器の中で牡蠣を調理していた痕跡も見つかっているそうです。
どうやら、縄文人は土器に水と牡蠣を入れ、そこに焼いた石を投入して加熱し、殻が開いたところで身を食べていたのではないかと推測されています。
生の状態の牡蠣は殻を外すのが大変ですし、衛生面からも生食は避けていたのかもしれません。
牡蠣殻は大量に見つかっていることから、煮たあとに干して保存食にしたり、交易に利用したりしていた可能性もあるということです。
牡蠣を楽しむならどこで?
牡蠣は家庭でも手軽に食べることができます。
生食用の牡蠣は、厳しい衛生基準をクリアした状態で売られていますので、パックを空けて洗うだけでOKです。
これも旬の瀬戸内レモンをしぼったら、磯の香りとさわやかな酸味とが合わさって、たまらない絶品になりますね。
また、鍋物には加熱用の牡蠣を選ぶと、ふっくらした身を味わえると思います。
ちょっとおしゃれに牡蠣を楽しむならオイスターバーでしょうか。
新鮮な生牡蠣はもちろんのこと、フライやアヒージョなど、さまざまなメニューを楽しめると思います。
白ワインと牡蠣、いいですね。
2000年代頃からは「カキ小屋」も冬の風物詩となってきました。
これは小屋やテントなどで焼きガキを提供するスタイルです。
火を囲んでバーベキュー形式でわいわい食べるのは楽しいですね。
焼きガキ以外の牡蠣料理が食べられるお店ももちろんあります。
牡蠣の産地だけでなく、全国に広がっているようです。
広島県産の牡蠣は日本一!
全国トップの牡蠣生産量を誇る広島県。
全国の出荷量の約60%を占めています。
広島県産の牡蠣は、地元だけでなく大都市圏でも人気が高いのです。
広島地方での牡蠣の養殖は、室町時代に始まったとも言われています。
現在のようないかだ式養殖方法は戦後に行われるようになり、安定的においしい牡蠣が生産されるようになりました。
品種は主に真牡蠣ですが、研究が重ねられ、さまざまな品種やブランド牡蠣も誕生しています。
当社の地元、福山市でも高級牡蠣が育てられています。
広島県の広報サイト「ひろしまラボ 」や「広島牡蠣道 」 には、広島牡蠣の情報が掲載されています。
興味のある方はぜひ見てみてください。
栄養豊富でおいしい広島の牡蠣。
さまざまな食べ方で、旬を味わってみてはいかがでしょうか。