万博だけじゃない、2025年の世界的イベント

2025年は「大阪・関西万博」の年。

未来社会の実験場ともいえるこの大規模イベントには、国内外から多くの注目が集まっています。

すでに足を運ばれた方、行くのを楽しみにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、2025年5月、日本ではもう一つの世界的イベントが開催されることをご存じでしょうか?

それが、「第20回世界バラ会議福山大会2025」です。

この会議は、私たちの地元・広島県福山市で開催され、世界中のバラ愛好家や専門家が集う一大イベントとなります。

福山市とバラとの深い関係、そしてこの大会の意義について、少しご紹介したいと思います。

特別な5月、ばら一色の福山へ

福山市では毎年5月に「ばら祭」が開催されており、今年で第58回を迎えます。

戦後の復興を象徴するかのように始まったこのお祭りは、今では福山を代表する恒例行事として定着。

市内外から多くの人々が訪れる、華やかで温かみのあるイベントです。

大人も子供も楽しめるように、さまざまな工夫が重ねられてきました。

市内各地の公園や街路には、数百種類、100万本を超えるバラが植えられており、5月にはその多くが見ごろを迎えます。

まさに「ばらのまち」にふさわしい、美しく香り高い季節が到来するのです。

今年の5月はさらに特別です。

通常の「福山ばら祭」「ばらのまち福山 国際音楽祭」に加えて「Rose Expo FUKUYAMA 2025」、そして「第20回世界バラ会議福山大会2025」が同時期に開催されるため、市内全体がバラを中心とした文化と交流で彩られます。

まさに、バラ尽くしの1ヶ月。

花だけでなく、音楽、食、アートなど、多彩な楽しみ方ができるこの時期の福山は、一年の中でも特別な魅力にあふれています。

福山ばら祭 公式サイト https://fukuyama-matsuri.jp/bara/#1

世界バラ会議とは?

「世界バラ会議(World Rose Convention)」は、世界バラ会連合(World Federation of Rose Societies)が主催する国際的なイベントで、3年に一度開催されます。

今回の福山大会は、記念すべき第20回目となります。

この会議には、バラの研究者、園芸家、育種家、そして熱心なバラ愛好家が世界中から集い、バラに関する最新の情報交換や議論が行われます。

また、国際的なネットワークを広げる場としても重要で、世界中の都市がバラ文化を通じてつながる貴重な機会です。

第1回大会は1971年にニュージーランドのハミルトンで開催され、以来、各国で開催されてきました。

福山大会は本来2024年に予定されていましたが、パンデミックの影響で前回大会が1年延期となったため、2025年に改めて開催される運びとなりました。

日本国内での開催は、2006年の第14回大阪大会以来2回目です。

ちなみに、この大阪大会では福山市のばら公園が優秀庭園賞に選ばれています。

会議の開催地として選ばれたことは、福山市が「ばらのまち」として世界に認められた証でもあります。

第20回世界バラ会議福山大会 2025 公式サイト https://wrc2025fukuyama.jp/

福山市とバラの深いつながり

「ばらのまち福山」という言葉に象徴されるように、福山市は長年にわたりバラと共に歩んできました。

その歴史は戦後間もない時期にさかのぼります。

1956年、戦災で傷ついた人々の心を和らげようと、現在のばら公園付近の住民によってバラの苗木が約1000本植えられました。

市民のボランティア活動が、ばらのまち福山の原点だったのです。

1985年に、ばらは「市の花」に制定されます。

2007年には「100万本のばらのまち」をめざすことが定められました。

この目標は、市制施行100周年となった2016年に実現されていますが、その後も市内のバラの数は増え、今も多くの人々の手で大切に育てられています。

バラは、平和や希望、復興の象徴としても広く知られており、福山市のまちづくりの理念とも深く結びついています。

ばら祭りだけでなく、普段から市民団体によるバラの手入れ活動が活発に行われるなど、暮らしの中に自然とバラが根付いているのが福山の大きな特徴です。

2025年、バラの美しさとともに

世界的イベントというと、大規模なインフラや最先端技術が脚光を浴びがちですが、「世界バラ会議福山大会2025」は、それとは一味違う、“心に残る”国際交流の場になることでしょう。

花が好きな方も、福山に興味がある方も、ぜひこの特別な5月に福山を訪れてみてください。

きっと、バラの香りとともに、忘れられない思い出が生まれるはずです。