6月は梅雨の季節です。
雨に濡れた紫陽花が美しく、木々の緑も鮮やかで、この時期ならではの景色を楽しむことができます。
蒸し暑さを忘れる…とまではいきませんが、傘を差して散歩をするのも悪くないものです。
梅雨はお好きですか?
今年の梅雨入り、梅雨明け
気象庁の速報値によれば、2025年の中国地方の梅雨入りは6月9日頃。
平年より3日ほど遅い梅雨入りでした。
最初に梅雨入りした奄美地方では5月19日頃、最後が東北地方の6月14日頃で、全国的に見ても平年よりも遅い梅雨入りとなっています。
梅雨明けもだいたい南から北へと進んで行きます。
今年の奄美の梅雨明けは6月8日頃、沖縄は6月19日頃と、平年より10日ほど早かったということです。
ということは、他の地域でも今年の梅雨は短いものになるのかもしれません。
梅雨の時期にたっぷり雨が降ることで、夏場の水不足をまぬがれることができます。
また、稲の生育にも梅雨の雨は必要不可欠なものです。
ただでさえ足りないお米が不作になっては困りますから、たとえ日数が少なくても、恵みの雨がほしいですね。
梅雨と梅
晩春から初夏にかけての雨が多い時期を「梅雨(つゆ・ばいう)」と呼びますが、その語源については「梅の実が熟す時期の雨」「カビ(黴)が生えやすい時期の雨=黴雨(ばいう)が転じた」など、いくつかの説があります。
梅の原産地である中国にも「梅雨(メイユー)」「入梅(ルゥメイ)」といった言葉があるそうで、梅の伝来とともに季節のことばも伝わってきたのかもしれません。
同じ音だとしても、カビよりは梅の雨の方が気分が良いですね。
梅雨と梅の縁は深く、梅雨の頃になると梅は黄色く熟し、赤みを帯びてきます。
この完熟した梅からは、おいしい梅干しが作られます。
青い未熟な梅は梅雨の少し前、5月下旬頃から出回りますが、こちらは梅酒や梅シロップ向きです。
梅雨の前後は「梅仕事」にいそしむという方もいらっしゃることでしょう。
「梅仕事」とは、梅干しや梅酒など、梅の加工品を作る作業のことを指します。
梅を使った保存食は、昔から家庭で作られてきました。
梅仕事の各工程はさほど難しくないとはいえ、どれも手間と時間がかかるものです。
また、梅干しや梅酒は、仕込んだ後、おいしく食べられるようになるまでに「待ち時間」も必要です。
なんでも買える時代ではありますが、手間暇かけて丁寧に作られた自家製保存食は格別ですね。
大雨に備える
かつて、梅雨の雨はしとしと静かに降り続けるというイメージでしたが、今はだいぶ様子が違います。
気候の温暖化に伴い、日本の気候は年々厳しさを増していて、梅雨も例外ではありません。
梅雨入りした数日後にいきなり晴れて猛暑日になったり、かと思えば大雨に転じたり、天候の変化が激しいですね。
ゲリラ豪雨、線状降水帯など、大雨に関する用語もすっかりおなじみになってしまいました。
短時間で大量の雨が降るケースでは被害が大きくなりがちです。
毎年のように大雨や洪水、浸水のニュースが聞かれます。
治水対策の効果も上がっていますが、天候の変化に伴い、思いがけない地域で水害が起こるケースもあります。
自然の力は強く、すべてをコントロールすることは難しいでしょう。
せめて、日頃から自分の住む地域の状況をよく知って、防災対策をしておきたいものです。
防災用品の点検や、万が一の際の避難場所、安全な経路などの確認をしておくだけでも、ずいぶんと心配は減ります。
川の近くに住んでいると、水量はどうなっているだろうかと気になりますが、大雨のときには絶対に近づいてはいけません。
最近では、河川へのライブカメラ設置が進んできました。
川の様子が心配なときは、安全な場所からライブカメラを確認するのが一番だと思います。
福山市を流れる一級河川・芦田川にも随所にカメラが設置されています。
「○○川 ライブカメラ」あるいは「○○市 川 ライブカメラ」で検索してみましょう。
国土高度交通省 中国整備局 芦田川ライブカメラ
https://www.cgr.mlit.go.jp/fukuyama/live/river/
自然現象は人間の思い通りにはならないものですが、水不足にならず水害が起きない、ほどよい梅雨でありますように願っています。
皆様のご無事をお祈りいたします。