キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、オクラ、ミョウガ、枝豆、ゴーヤ、カボチャ、トウモロコシ…
夏は、色鮮やかでみずみずしい野菜が畑を彩る季節です。
キュウリやトマトなどは一年中いつでも店頭に並んでいますが、旬のものはおいしさが違いますし、栄養価にも優れると言われています。
暑さで食欲が落ちやすい時期こそ、夏野菜の力を借りて体調を整えたいものです。
熱を取ってくれる夏野菜
暑くて調理をするのもおっくうな時期ですが、夏野菜は生で食べられるものが多いのも魅力です。
塩をひとふりした冷やしトマト、味噌を添えたキュウリなど、さっぱりと食べることができて水分と塩分がとれるので、熱中症の予防にも役立ちます。
薬膳の考え方では、夏野菜の多くは「体の熱を冷ます」作用があるとされています。
特にキュウリやトマト、ナスなどは水分を多く含み、体の中の余分な熱を逃がしてくれます。
夏野菜を食べることで、体の内側からクールダウンできるのです。
「ずっとエアコンが効いた部屋にいるのでむしろ冷えるのが心配」という方は、軽く炒める、蒸すなど、加熱して食べると薬膳的にはバランスが取れて良いそうです。
電子レンジを使うのもおすすめです。
夏野菜は手間をかけないシンプルな調理で十分おいしいので、毎日の食事に取り入れやすいと思います。
香りの強い野菜の効用
ミョウガや大葉(シソ)、ショウガなど香りの強い夏野菜は、食欲を引き出し、気分をしゃっきりさせてくれます。
こうした香味野菜には発汗作用があり、胃腸の働きを助けたり、気の巡りを良くする作用もあるとされ、冷たい飲み物や冷房で弱った体にぴったりです。
夏の定番メニュー、そうめんや冷ややっことの相性もよいですね。
バジルなど夏のハーブも、意外と和食にも合ったりします。
さわやかな薬味があると食が進みますし、いつもの食卓がちょっとにぎやかになります。
家庭菜園のうれしい悲鳴
今年の夏は厳しい暑さや集中豪雨が相次ぎ、野菜の生産にも影響が出ています。
生産量が不安定になると価格も上がるのが辛いところです。
一方で、実るときは一斉に実ってしまうのが夏野菜。
ナスやキュウリなどの果菜類はあっという間に大きくなり、まとめて収穫しなくてはならないことがあります。
家庭菜園で「とれすぎた!食べきれない!」と困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
うれしい悲鳴、贅沢な悩みとも言えますが、せっかく実ったものを無駄にしたくはないので、さまざまな工夫をすることになります。
旬の野菜をおいしく保存するために、昔から各地で漬物やピクルスが作られてきました。
干し野菜も古くからある保存方法です。
切ってざるに広げてカラリと干せば、長持ちするだけではなく生とは違ったおいしさと食感が味わえるということで、最近再び注目されるようになりました。
野菜によっては冷凍することもできます。
農林水産省のサイトには、夏野菜の冷凍保存の方法が紹介されていました。
丸ごと、カットなど、それぞれの野菜や調理方法にあった保存の仕方があるのですね。
農林水産省「夏野菜&果物の保存術」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2007/spe1_05.html
また、たくさんとれた野菜は、友人や近所におすそ分けをして、コミュニケーションツールとして活用するのもありだと思います。
地元の夏野菜を食べよう!
とれたての新鮮野菜ほどおいしいものはありません。
地元でとれた夏野菜は、それだけでごちそうです。
私たちの地元、福山市は農業も盛んで、「ふくやまブランド野菜・ふくやまSUN(サン)」として15品目が認定されています。
夏にはアスパラガス、ナス、しろ瓜、果物ではぶどう、すもも、いちじく、もも、ブルーベリーが旬を迎えます。
ふくやまブランド農産物 https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/290209.html
福山の農産物は全国に出荷され、通信販売もありますが、地元の商店や農産物直売所、道の駅でも購入可能です。
地元の野菜は新鮮で価格も手頃ですし、輸送距離が短いぶん環境にもやさしいと言えます。
お住まいの地域にも、地元の野菜が手に入る場所がありませんか。
大都市圏でも、ちょっと郊外へ足を伸ばせば農産物直売所が見つかりますし、地元野菜のコーナーを設置するスーパーも増えています。
せっかく野菜が豊富な季節ですから、「地産地消」を楽しめたらいいですね。
カラフルでおいしい夏野菜を食べて、夏を元気に乗り切りましょう。