早めのインフルエンザ対策

インフルエンザは、インフルエンザウイルス(主にA型・B型)による急性感染症です。

38℃以上の発熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、倦怠感、咳・喉の痛み、鼻水などの症状を比較的急に発症することが特徴で、かかった経験がある方も多いことでしょう。

新型コロナウイルスが登場するまでは「きつい感染症」の代表格でした。

そして、今でも毎年インフルエンザによる死亡はなくなっていません。

インフルエンザの季節

インフルエンザは例年、11月から3月頃の冬季に流行のピークを迎えます。

これは低温・乾燥した環境がウイルスの生存に適しているためです。

しかし近年、気候変動や人の移動の影響もあり、夏場でもインフルエンザ発症者が報告されることが増えてきました。

世界的に見ても、新型コロナウイルスの発生以降、これまでとは異なるタイミングで季節性インフルエンザが報告されています。

ただ、春や夏のインフルエンザは「流行」までは至らず、パラパラと散発的に発生することが多いようです。

厚生労働省のデータによれば、依然として冬場の感染が最も多く、特に12月から2月にかけて流行のピークを迎えています。

インフルエンザに備える

体力のある健康な大人であれば、38℃の熱が出てもなんとか自己免疫力で乗り越えられるかもしれません。

しかし、そうでない人にとっては、インフルエンザは命にかかわることもある怖い病気です。

特に、65歳以上の高齢者、基礎疾患を持つ方、乳幼児から小学校低学年くらいまでのお子さん、妊婦の方はインフルエンザにかかると重症化したり、他の病気を引き起こしたりするリスクが高いとされています。

インフルエンザから身を守るには予防接種が有効です。

厚生労働省の発表によると、ワクチン接種により発症リスクが約50~60%低減するということで、重症化や合併症の予防にも大きな効果が期待されています。

自分はかかっても大丈夫、という人でも、周囲にハイリスクな方がいる場合は予防接種を受けておくのがおすすめです。

自分自身の感染を防ぐことで、周囲の人にうつす心配が減り、結果としてハイリスクな人たちをも守ることができるからです。

ワクチン接種のタイミング

ワクチンの効果が十分に発揮されるまでには2週間程度かかり、その効果は一般に5~6か月程度持続するとされています。

つまり、冬の流行に備えるには、10月から11月頃に接種するのがもっとも効率がよいと言えるのです。

インフルエンザワクチンは自由診療となりますが、自治体や健康保険組合の助成制度が用意されている場合もあります。

お住まいの自治体でどのような制度があるか、ホームページや広報紙などで確認してみましょう。

たとえば福山市では、生後6か月~小学校6年生までの子ども、65歳以上の人または60~64歳で特定の基礎疾患がある人向けに費用の補助制度が用意されています。

補助の実施期間は10月1日~翌年1月31日ですが、早い時期に受けておきたいですね。

基本的な対策

多くの人が新型コロナウイルスの対策をしていた時期には、インフルエンザの流行も抑えられていました。

こまめに手洗い・うがいをする、アルコール消毒をする、マスクをする、咳エチケットを守る、換気を行う、密を避けるといった新型コロナ対策は、インフルエンザを防ぐためにも非常に有効なのです。

マスクをする機会はすっかり減りましたが、これからの季節、満員電車に乗る場合などはマスクを用意しておくと安心ですね。

もしもインフルエンザにかかったら

どれほど気をつけていても、予防接種済みでも、残念ながらインフルエンザにかかってしまう場合もあります。

「熱があるけど元気だから」「仕事を休めないから…」と外出する人もいますが、できれば避けたいところです。

子どもの場合、学校保健安全法により「発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」出席停止と定められています。集団感染を防止するための大切な決まりといえるでしょう。

・発症(発熱・症状が始まった日)を0日目として数えず、翌日を1日目と数える

・解熱日は、その日を含まず、翌日から2日(幼児は3日)を経過する必要がある

この法律に従うと、発熱が月曜日で水曜日に熱が下がった場合、木曜日が解熱1日目、金曜日が2日目となるため、土曜日にやっと出席可能となります。

この基準は子ども向けで、働く大人には出勤停止期間を定める法令はありません。

とはいえ、厚生労働省では、企業でも従業員に対して「38℃以上の発熱、咳、倦怠感等のインフルエンザ様症状があれば出社しないようにする」などの方針を定めることが推奨されています。

身近ですが実は怖いインフルエンザ。

できるだけ早めに対策をして、これからの寒い時期をどうぞ元気にお過ごしください。

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