1月下旬は一年でもっとも寒い時期です。
二十四節気の「大寒」は1月20日で、ここから数週間は冷え込みが厳しい日が多くなります。
朝に布団から出るのが辛かったりしますが、寒い時期には寒い時期の楽しみがあります。
寒さを活かす
「寒仕込み」という言葉があります。
これは、日本酒や味噌などの仕込みを寒い時期に行うことです。
日本酒と味噌の共通点は、発酵食品であること。
日本にはさまざまな発酵食品がありますね。
微生物の働きを活用する発酵は温度の加減が難しく、気温が高い時期だと発酵が早く進みすぎて思うような味にならなかったり、雑菌が増えてしまったりする恐れがあります。
その点、寒い時期にはじっくりと発酵が進むため、深いうまみを引き出すことができるのだそうです。
また、おいしさの邪魔をする余計な菌が繁殖しづらいという利点もあります。
昔の人たちは、春から秋にかけて育てた米や麦を、冬の厳しい寒さの中で加工して、保存のきくおいしい食品を作ってきたのですね。
寒さがとても重要だったことがわかります。
今では、味噌もお酒も温度管理が行き届いた工場で一年中製造することができますが、寒仕込みのものはやはりおいしさが違うということで珍重されています。
ウィンタースポーツはお好きですか?
スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツは1月から2月がベストシーズンです。
吹雪や嵐では困りますが、雪がなくてはできないスポーツですから、やはり寒くないとはじまりません。
この時期は雪の状態が良く、さらさらのパウダースノーを堪能できます。
そのぶんスキー場が混みやすく、料金が高くなるのが難点ではありますが、この季節にしか味わえない爽快感には変えられない、という人も多いようです。
運動すれば体が温まるとはいえ、極寒の季節ですからウェアには気をつけたいところです。
保温性の高いインナーを重ね着したり、小物を取り入れたりして、快適にウィンタースポーツを楽しみましょう。
機能性衣類の進歩はすばらしく、スポーツやアウトドア系のショップにいくと、「こんなものまで!」と驚くような便利な商品が並んでいます。
こたつの魔力
さて、インドア派にとっては、冬と言えばこたつかもしれません。
こたつには不思議な魔力があり、一度入るとなかなか出られなくなってしまいますね。
足腰、おなかがぬくぬく温まり、なんだか安心します。
頭寒足熱ということわざの通り、頭は冷まし、足もとは温めるのが体には良いと言われていますので、こたつに入ればこの理想的な状態を実現できるわけです。
近年はこたつのない家が増えており、こたつの保有率は約50%とも言われています。
畳の部屋がない住まいは珍しくないですし、単身者向きのワンルームなどはフローリングが主流ですから、こたつはなじまないということもあるでしょう。
それでも、こたつに入ったことがないという人は少ないのではないでしょうか。
自分の家にはなくても、田舎のおばあちゃんの家には大きなこたつがあったりしませんか。
地域や家族状況によってもこたつの保有率は大きく異なり、都市部よりも地方の方がこたつの活躍度は高いようです。
ある調査によれば、こたつの保有率がもっとも低い都道府県は沖縄県だということです。
温暖な土地ですから、納得ですね。
しかし、その次に保有率が低いのは意外にも北海道でした。
北海道の住宅は断熱効果の高い造りになっており、屋内全体を暖める方式が取られていることが多いのです。
外は極寒でも、家の中はぽかぽかと暖かく、家に帰るとTシャツで過ごすという人もいるほど。
それではこたつの出番はなさそうです。
こたつといえばみかんですね。
ほかほかのこたつに入って、ひんやりしたみかんを食べ出すと止まりません。
ただ、1月末だと温州ミカンは晩生のものも終わるころです。
広島でははっさくやネーブルが旬を迎えますので、目先を変えて他の柑橘類をこたつに載せてみるのもよいのではないでしょうか。
ビタミンCが豊富で、風邪をひきにくくなるのも柑橘類のうれしいところです。
厳しい冬が終われば、すぐに春がやってきます。
もう少しの間、寒さを楽しみながら過ごしてみましょう。