「最古のフルーツ」をご存じですか。
ぶどうは、人類が遠い昔から親しんできた果物のひとつです。
古代から生食用やワインなどに利用され、現在も新しい品種が次々と生み出されています。
ぶどうの歴史
野生種の採集からはじまり、ぶどうが人の手によって栽培されるようになったのは、数千年前のことのようです。
糖分が多く、干しぶどうやワインなどに加工すれば長期保存できるぶどうは、古代の人々にとって非常に貴重な食料だったことでしょう。
古代エジプトの壁画にもブドウの収穫やワイン造りの様子が描かれています。
日本でも縄文時代からヤマブドウが食べられていたことが確認されています。
青森県の三内丸山遺跡から出土したヤマブドウの種子を調べたところ、他の地域のものに比べて大型化していることがわかりました。
三内丸山の縄文人たちが、大きな実を選別するなど、ヤマブドウの栽培や管理に関わっていた可能性も考えられています。
現代の栽培種のぶどうが日本に入ってきた時期については諸説ありますが、奈良時代ともいわれています。
山梨県の勝沼で発見された「甲州ぶどう」は、2016年のDNA鑑定により欧州系と中国の野生種との交雑によって生まれた品種であることが明らかになりました。
甲州は、鎌倉時代から栽培されている歴史のあるぶどうです。
人気の品種は?
世界的に見ると、生産されたぶどうは、ワインやジャムなどの加工用が約7割で、生食用は約3割にすぎません。
しかし日本では事情が異なり、生食用が約9割、加工用が約1割です。
そのため、日本では生食用の品種が数多く開発されてきました。
代表的な品種である巨峰は、1940年頃に栽培が始まりました。
濃い紫色の大粒で、風格さえ感じられる美しい見た目と、ジューシーで甘い深い味わいを持つすばらしいぶどうです。
長い間、日本でもっとも栽培面積が多い品種はこの巨峰でした。
しかし、農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」によれば、令和4年産でシャインマスカットが巨峰を抜き、栽培面積1位となりました。
令和5年産では、1位がシャインマスカット、2位が巨峰、3位がピオーネ、4位がデラウェア。
この4品種で、生食用ぶどうの栽培面積の約7割を占めています。
シャインマスカットは2006年に品種登録された、比較的新しい品種です。
種がなく、皮ごと食べられることが大きな特徴。
美しい淡い緑色の大粒品種で高級感があり、贈答用にも人気ですね。
さわやかな甘さと上品な香り、パリッとした食感なども好まれているようです。
3位のピオーネは、1970年代に登場した品種です。
母にあたる巨峰によく似た大粒の実は少し赤みがあり、果肉がしっかりしています。
こちらもすばらしくおいしいぶどうです。
4位のデラウェアは、小粒種のぶどうの中ではトップの人気を誇ります。
種がなく、つるんとやわらかくて食べやすいので、お子さんにも好まれるぶどうです。
ところで、大粒のぶどうを小さなお子さんに食べさせるときには注意が必要です。
ぶどうのような丸くてつるっとした食品は、丸ごと食べると窒息の危険があります。
消費者庁も、乳幼児には4等分するなどの工夫を呼びかけています。
広島県でも盛んなぶどう栽培
ぶどうの産地といえば、山梨県、長野県が名高く、この2県で全国の収穫量の約4割を占めています。
次いで岡山県、山形県などが続きます。
広島県も、全国有数のぶどう産地の一つです。
中でもよく知られているのが三次市のピオーネでしょう。
三次盆地の気候を生かして栽培される大粒のピオーネは、「黒い真珠」という名で商標登録され、地域を代表する特産品になっています。
また、弊社の本社所在地である福山市でも、沼隈地区を中心にぶどう栽培が行われてきました。
さらに、近年では市内で栽培されたぶどうを使ったワイン造りも盛んで、「備後福山ワイン」として、ワインを核とした地域活性化が図られています。
機会があれば、地元のぶどうから生まれた味わいも楽しんでみたいですね。
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/289370.html
進化を続けるぶどう
古くから人々に利用されてきたぶどうですが、その進化は今も続いています。
より甘く、より大きく、より食べやすく、見た目にも美しいぶどうが次々と誕生しています。
さらに近年は、気候変動に伴う栽培環境の変化に対応する新品種の育成も進められているということです。
輸入品も含めると一年中出回っているぶどうですが、やはり旬は秋です。
古い歴史と新しい技術から生まれたさまざまなぶどうの世界を、秋の味覚として楽しんでみてはいかがでしょうか。
おなじみのぶどうだけでなく、新顔のぶどうを試してみるのもいいですね。

